シンは今水鏡の神殿にいた。
生命の神殿から戻ってきたとき、既に暗くなっていたため、今日は水鏡の神殿に泊まっていくことになった。
夕食を食べ終えた後、シンはかつての自分の部屋のベッドの上で横になりながら考え事をしていた。
(……シュウ)
今まで自分の中にいたもう一人の自分を思いだす。
「……あいつは」
コンコン
「------誰だ」
木製のドアを叩く音が聞こえ、視線を移して声を送る。
「シンくん、私よ」
「シリア……」
シンがその名を呼んでからドアが開いた。そこには、切ない表情を浮かべるシリアが立っていた。
「お話、いいかな?」
「……あぁ」
一旦断ってからシリアは部屋の中に入っていく。
「シンくん、その……」
「どうしたんだ」
シリアの態度は何故か躊躇いがちだった。
「その……シュウの、ことなんだけど……」
「……そうか」
その名前を聞いたとき、シンの表情は寂しいものへと変わった。それでもシリアは話を続けた。
「シンくんがあのとき言っていたことなんだけど……」
「……シュウが人を信じれなかったことか」
「……うん」
シンは一瞬黙り込んだ。そしておもむろに語り始めた。
「あいつは、俺と同じだった。誰も信じれず、誰にも信じてもらえなかったんだ」
「…………」
シリアはシンの顔を見つめながらシンの話を聞き続けた。
「望まぬ戦いを強いられて戦い続けた。そして命を落としても、その魂は普通の命に受け継がれることはなく、更なる戦いの運命を課せられた。でも、あいつは最後に俺を信じて、ようやく戦いから解放されたんだ」
「……でも、シンくんもそれで辛い目に……」
「……確かに、俺も色んなことがあった。親が死に、大勢の奴から命を狙われた。それも神によって決められたことだ」
「……シンくん」
「けれど、俺はこの世界に生まれたことを後悔はしていない」
「え」
シンの表情が変わった。そこには小さな微笑が生まれていた。
「それは……」
「え、シンくん、んっ……!」
気付いたとき、シリアは自分の唇をシンに奪われていた。
目を見開き驚くシリアを尻目に、シンは唇を離すとシリアの顔を見つめて柔和な笑みを浮かべた。
「この世界で生まれてよかったこと、それはシリアに会えたことだ」
「シ、シンくん……っ」
シンの言葉を聞いたシリアは、自分の涙腺が緩むのを感じた。
「シリアに会う前の俺だったら、きっとシュウを救えなかった。でも、シリアに会えたから俺はシュウを救う事が出来たんだ」
「そんな、私なん……んっ」
言い終える前にシリアは再び唇を塞がれた。
驚いたシリアだったが、今度は自身も相手に抱きつき、委ねていった。
先ほどは唇と唇が触れ合うだけのキスだったが、今度は舌を入れていく深いものとなった。
「ん、んう……っ」
「……シリア、そんなことはないよ。俺はシリアと会えたから、信じるってことを、知る事ができたんだ」
シンは相手言いながら今度は首筋にキスを下ろしていった。
「あっ……ん、んん!」
くすぐったいようなその感覚にシリアの口から湿りを帯びた声が漏れていく。
「シリアのおかげで、俺は……」
「ん、シン、くん……」
首筋、肩、白衣の前を開け胸へと流れていくそのキスにシリアの身体は小刻みに震えていく。
シンにされるがままのシリアが、ふとシンの肩を掴んだ。
「……シリア?」
「あの……シンくん、今日は、その……私がその、シンくんを……気持ち良く……」
突然のシリアの言葉にシンは驚く。
「どうしたんだ、急に」
「わかんない……でも、今日は私がシンくんを……」
何故なのか、詳しいことはシリアにもわからなかった。だがこれだけは言えた。この人のために何かしてあげたい。
「シンくん、横になって……」
「あ、あぁ……」
戸惑うシンだったが、とりあえずはシリアの言うとおりにした。
「ん……んっ」
シリアは自分の舌をシンの身体に這わせていく。
「しり、あ……」
初めて感じるその感覚にシンの声は少し湿ったものに変わっていく。
今まで自分がシリアにしてきたようなことをシリアにされている。ただ逆になった、ただそれだけのことだが、シンにはそれがなんだか大きいものに感じた。
「あふっ、ん、ちゅ……」
シンの身体にキスを下ろしていく。シンの上に手を這わせていくうちに、シリアの手はシンのズボンへと着いた。
「シ、シリア?」
「あの、シンくんのに、く、くちでしてあげる……」
「え……」
突然のシリアの言葉にシンは唖然となる。
シリアは、シンのズボンを脱がし、そのままトランクスも脱がしていく。
「わぁ……もうこんなに……」
トランクスから開放されたシンの肉棒は既に屹立状態だった。
「シ、シンくん……」
おそるおそると言った感じでシリアはシンの肉棒に唇を近づけていく。だが、その前にシリアの動きが止められた。
「シリア、無利しなくていいんだよ」
シリアの頭を両手で押さえ、シンが心配そうに喋った。
「俺のことを気遣っているなら、別にいいんだ」
「シンくん……私、無理なんて全然してないのに、ただ、貴方のために何かをしてあげたい、ただそれだけなの……」
自分の頭を掴んでいたシンの手を外し、シリアはゆっくりと、シンのモノを咥えていく。
「ん、んむ……ひ、ひん、ふん」
初めて咥えたそれを、シリアは愛しそうに舌で舐めていく。
シンは自分の下半身から伝わるその快感に表情を歪めた。
「はむ、むぅ……ん」
シリアのたどたどしい舌使いにより、シンの下半身から脳へと強烈な刺激が伝わっていく。
「ぐ……っ!」
その体験したことのない快感にシンは呻き声を漏らす。
「はぅ、うん、んっ……」
シリアは肉棒に舌を絡めながら次第に首を動かすスピードを速くしていく。
シリアはこういうことをするのは初めてだった。だが、この人のために何かしてあげたい、その想いだけで行っていた。
「ひ、ひんふん?ひもひいい?」
口に咥えているため、もごもごした口調になってしまう。だがそれが余計にシンを刺激した。
「うぐっ!?」
シンは自分の分身から強烈な衝動がくるのを感じた。
「------?ひん、ん、んむ!?」
何事かと思ったシリアが、次の瞬間衝撃がシリアの口内へと来た。
「あぶっ!ん、むぅ……」
シリアの口の中へシンの分身が吐き出した白い液が流れていく。
「ん、んぐ、ん……の、飲んじゃった」
ゆっくりとシンのものから口を離し、自分の口の中へ入ってきたその苦い液体をシリアは思わず飲んでしまった。
「シリア、ごめん……我慢しきれなくて……」
「いいの……気にしないで」
申し訳なさそうに喋るシンを見て、シリアは優しく微笑む。
「……シリア」
シンはベッドに横になったまま、手をシリアの秘部へと持ってゆく。
「少し、濡れてるね……」
「あ、あんっ……」
シンに自分の中心部を弄られ、甘い声を漏らしていく。
「俺のを舐めてて、感じちゃったの?」
「ん、くふぅ……わ、わかんない、わかんないの……」
シリアは戸惑いながらも甘い喘ぎを漏らしていく。
シンは自分の目の前で揺れるシリアの胸の蕾に舌を這わせて舐めていく。
「ん、んん!」
「舐められただけでこんなに声を出すなんて、シリアは本当に感じやすいね」
「はふ、うむぅ……」
シリアは自分からシンにキスをしに行った。
「ん、シリ、ア……」
シンは思った。今日のシリアはいつもと違う、いつもはシンにされるがままという感じなのだが、今回は自分からくる。自分から求めてくる。
「シリア……もう、いれるよ」
いつもとは違う積極的なシリアに触発されたのか、シンは既に復活した自分の分身をシリアの秘部の中へと侵入させていく。
「あ……!あっ、あン!」
シンに挿入され、シリアは大きく喘ぎだす。だが、今回はいつもと違うとこがあった。
「ん、んんっ!」
シンの体の上に両手を置き、シリアは自ら腰を振り出した。
「シ、シリア?」
自分の上で妖艶なダンスを踊るシリアを見て唖然となる。
シリアが体を動かすたびにシリアのその豊かな胸は揺れ、艶やかな水色の髪は美しく乱れていく。
「あ……はぁぁん……!」
動くたびに、シンの肉棒は刺激されていく。
「うっ……くっ」
いつもはシリアに快楽を与えるシン、だが今はシリアに快楽を与えられている。与えられる快楽はシンにとって初めてであり、不思議な感じだった。
「は……!あ、あぁ!」
シリアの喘ぎが大きくなり、身体が痙攣していく。
「あぅ……もう、もぅ……ふああぁ!」
シリアの身体がビクンと震え、シリアは一人衝天した。
「はぁ、はぁ……」
シンの身体の上に突っ伏しなっがらシリアは大きく肩で息をしていく。
思えばシリアはこうやって自ら動くのは初めてだった。そして同時に気づいたこと、それは自ら動くのは想像以上に体力を消耗するということだった。
「……シリア」
「シンくん……ごめん、私ひとりで……」
「いや、それはいいんだ、でも、どうしてこんなことを」
「……あなたのために、なにか……してあげたかった」
上気した顔でシリアは語っていく。
「……そうか」
自分の身体の上に覆いかぶさっているシリアの背中を優しく撫でていく。
「それじゃ……」
「……?」
「今度は俺がシリアにしてあげなくちゃな」
「え?あ、あんッ!」
シンは自分の腰を突き上げ、シリアの膣を突いていく。
「いっ……あ!し、しんくん……!」
シリアの腰を持ちながら更に突き上げていく。
「あ、や!し、しんくんがそこまで……し、しなくても!あ、あぁ、あ!?」
気づくと、シンは腰の動きを止めていた。
「シ、シンくん?」
上気し、恍惚となった表情でシンの顔を見つめる。シリアの口から漏れる吐息がシンの顔にかかっていく。それほどまでにシンが近かった。
「シリアが俺にしてあげたいと思うように、俺もシリアにしてあげたいんだ」
「で、でも……シンくんは……ん、んむっ!」
シリアは何かを言おうとしたが、それよりも早くシンに唇を塞がれてしまった。シンの唇によって。
「ん、んん……。……どうして、辛いのはシンくんのはずなのに……」
「確かに辛いさ。でも、それをいつまでも悔やむわけにもいかないんだ。あいつとの約束のため、そして、シリアのためにも……」
シンは笑った。優しく。
「シ……シンくん!」
辛いことを見せようとせず、自分に対して優しさを見せるシンにシリアは涙し、抱きついた。
「……シリア」
シンは再び腰を動かし始める。
「あ、あはぁ!」
シンは自分の目の前で揺れるシリアの胸に舌を這わせ舐めていく。
「ふあ……む、胸はぁ!」
「感じやすいんだよな」
舌でチロチロと乳首を舐めた後、今度はそれを口に含み吸うような動作をいれた。
「あ、あふうぅ!」
感じやすい胸を責められ、シリアは激しく喘いでいく。
「シリアの胸って本当に感じやすいんだな」
「だ、だってぇ……あ、あぁあ!」
「シリア、そろそろイキそうだ……」
「わ、私も……」
「さっきもイッたのに、またイクなんて」
「だって、だってぇ……!」
シリアは両手でシンの両手を握り、涙目で訴えるように叫んだ。
「シンくんのことが好きなんだもん!!」
「シリア!」
「シンくん!」
シリアが握っていた手を握り返すように強く握った。
「シ、シンくん……やはああぁん!」
「シリア!くッ!」
シリアの身体は再び大きく痙攣した。それと同時にシリアの膣内にシンの愛情が注がれていく。
「しん、くん…………」
シリアは気を失った。自分から動くという慣れないことをしたため、いつもよりも疲れたようだ。
「……シリア」
シリアの水色の髪を優しく撫でていく。
「必ず守る。それもシュウとの約束だ……」
そう言いながら、自分の目の前でスヤスヤと小さく呼吸をしていく愛しき女性を見つめていく。